外来語の使用について

平成12年6月9日の読売新聞朝刊によると、8日、国語審議会第三委員会は官公庁や報道機関が使う外来語に関する指針案を国語審議会総会に提出したそうである。

その中で、「コンセンサス」「スキーム」など、定着が十分でなく日本語に置き換えが容易である物に関しては日本語使用する様に示しているのだそうである。また、日本人の名前のローマ字表記も、名→姓ではなく、姓→名の順にする事を提案しているらしい。

今回のこの2点に関しては、1点目の各論は別にして2点とも大いに賛成したい。

まず1点目。いつの時代もそうかもしれないが、とにかく不必要に英語を使用する傾向が目に余る。明治時代はやはり洪水の様に外来文化が流れ込んで来た時代だったが、明治の人間は日本語に置き変える努力は放棄していなかったと思う。 それが今はあまりにひどい。置き変える努力の放棄どころか、迎合と言ってよい傾向にある。

実は先日会社で会社の方針に関して、ある職級以上の必須教育を受けたばかりだが、概念などを表す単語は英語の羅列だった。 以前から会社幹部が使用する(そして中間管理職がそのまま垂れ流す)不必要な英単語には反感を持っていたのだが、あまりのひどさに吐き気をもよおした。

情報処理関係の会社に行ってる人間には「ソリューション」と言うのはかなり広まっている用語かもしれないが、一般社会では必ずしもそうではない。 大学の教官をやっている私の友人に以前メールで使ったところ「ソリューションって何?直訳すると溶かすとかそう言う意味だけど?」と聞き返された。

また、ここ1〜2年でよく会社で聞く言葉に「アライアンス」と言うのがある。何の事はない、「同盟」とか「連合」とか言う意味である。 それがさも偉そうに「アライアンス」として登場する。先に出した「ソリューション」は、概念的にぴったりくる日本語がなかなか無いから未だしも何で「アライアンス」なんだ。自分の底の浅さを英語で覆い隠しているとしか言いようが無いではないか。

こう言う言葉を引っさげてやってくる情報処理系会社の営業と会話を交わす商店主なり、会社員なり、公務員は気の毒としか言い様がない。英単語を羅列してさも素晴らしいものを入れてくれる様な気にさせようとしてくるが、分からない用語があったら、煙に巻かれない様に質問するとよい。
その時に「××って何ですか?」と聞いてはいけない。その説明にまた英単語がずらずら出てくるだけである。「××って日本語にすると何ですか?」と聞いてみよう。中身がちゃんと分かっている営業なら必ずしも1語の日本語で表現出来なくてもそれなりの日本語にしてくれるだろう。それが出来ない営業ならとっとと帰ってもうと良い。底の浅さを英単語で煙に巻こうとしている営業なのだから。

もっともここで言っておきたいのは何もかも日本語にしろと言う訳ではない。
何も敵製語は使うなと言っている訳ではない(笑)。
電子メールは電子メールで結構。電子郵便はもう馴染まない。

2点目。

これも大賛成である。私は以前からローマ字表記でも姓→名の順番で使っている。だってそれが日本人の名前でしょう?もっとも最初からそうだった訳ではない。小学校か中学校の時(ローマ字を習ったのは小学校だが、名前をローマ字で書く場面は小学校ではそうそうない)には名→姓で書いたし、そう習ったと思う。それがおかしいと感じはじめたのは中学か高校の頃である。

グエン・バン・チューは決して「チュー大統領」ではない((笑)当時は新聞でそう書いてあった様な記憶がある。少なくともグエン・カオ・キを「キ氏」と書いてあったのを見た記憶はかなりの確からしさである)。ローマ字表記の時に何で欧米に迎合しなくてはならないんだ。しかも日本だけ。

この習慣が始まったのは、明治の筈だが、当時の人間を非難しても始まらない。当時は先進国欧米と同じにしなくてはならないと思っていたのだから。 だが今のこの時代に無批判に欧米に迎合する必要は無い。大学以降の頃から信念を持って私はローマ字表記でも姓→名で書いている。

ところが、私の行っている会社の親会社が電子メールアドレスについて全社統一のドメインを使うにあたってアカウント部分を「名の頭文字1文字−姓」にする様に決定した。
決定だから強制である。この通達を見た時に眩暈がした。

お前らは国賊か?非国民か?

よくもまあこんな国辱アドレスを強制するもんだ>情報システム部。 幸いにも、私が行っているのは子会社で、ここも全社統一アドレスを採用したのだが、私の会社の情報システム部は見識があったのか「姓−名の頭文字」である。

最後に、国語審議会第三委員会、今回は良い仕事したな、と言って本稿の終わりとしたい。

平成12年水無月10日

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